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最低男と最低女の旅行記

12月の初めにある男性と知り合った。決して良い出会い方ではなかったけれど、それでも毎週会うようになり、会う回数を重ねるうちに、互いに好きという感情が芽生えた。

でも、彼には付き合って三年の彼女がいたし、私にも付き合って一年の彼がいたから交際に発展することはなかった。

 

だけど毎週金曜日には夜から会い、一緒にご飯を食べ、車でどこか遠くへ出かけ、その地のホテルに宿泊し、同じ布団で眠り、翌朝起きて出かける。することは、サッカーだったり、しゃぼん玉だったり、探検だったり。子どもがやるような遊びを、とにかくなんでも楽しんでやった。

もちろん、映画も観に行ったし、水族館で魚も見たし、夜の東京タワーにも登った。初めてのデートはイルミネーションだった。普通の大人のデートもした。

歩くときは手を繋いでくれて、おんぶしてもらったり、おんぶしてあげたり、肩車もされた。エスカレーターや階段を降りるときは私の前に、上るときは私の後ろに必ず立ってくれた。コンビニのレジでの「ありがとう」もちゃんと言える人だった。

 

彼は、私の恋人とはまるで正反対の人で、明るく元気で社交的で、音楽の趣味も合うし、考え方も似ていて、一緒にいるとなんでも楽しいと思えたしどこへ行っても楽しかった。彼と一緒にいるときの私は、とても素直で正直で、優しくいい子でいられた。

 

彼は、彼女と別れて私と付き合うと言ってくれたし、私も恋人とは別れると言ったけれどそれが叶うことはなかった。互いにパートナーとの生活にたいくつしていたんだと思う。ちょっとよそ見しただけ。ちょっと探検しただけ。

私は彼に、ちゃんと別れてもいないのに「別れた」と嘘をついた。生活が変わるのが怖かった。上京してきて頼れる人は、上京前から付き合っていた恋人だけだったし、恋人と別れた後にもし付き合ってもらえなかったら私は一人になってしまうと思って保険をかけた。

結局、思った通り彼女と彼が別れることはなく、私は恋人と別れなくて良かったとホッとした。

だからきっとバチが当たったんだと思う。嘘つきで、みんなから愛されていたくて、欲張りだから。

 

その後恋人には全てを話した。彼も彼女に今までしていたことを話した。だけど私の彼も彼の彼女も、それを受け入れると言った。

惰性もあるのかもしれない。たくさんの時間と思い出を積み重ねてしまったし、新しい出会いがこれから先他にあるのかという不安もあっての“受け入れる”という言葉だったのかもしれないし、分からないけれど、もしかしたら愛なのかもしれない。

 

それでも最低な私は、彼のことを好きな気持ちは変わっていない。浮気をするような男だとわかっているのに、彼女とちゃんと別れられない男だってわかっているのに。なぜか好きな気持ちをやめられなかった。

 

彼は明日誕生日を迎えるし、彼女と同棲を始める。

これから先どうなるかわからない。また遊ぼうという話もしている。きっと私はまた彼と会うだろう。どこかへ出かけてホテルに宿泊して、ということはないかもしれないけれど。

 

縁があればまた繋がる。

最後の夜には泣いて縋って私と付き合ってよと言った。そんなこと今まで一度でもなかったのに。大声出して男性にしがみついて街中で泣くことなんか絶対にないと思っていたのに。

でも今は一緒にいるタイミングではないんだと思う。人生は何事もタイミングだから。私が恋人とちゃんと別れて精神的に自立したとき、もしもまた縁が繋がれば次は一緒になれるかもしれない。そう信じて前向きに、ちゃんと暮らしていきたい。気を病んでご飯が食べられなくなることもあったけれど、健康な精神で、笑顔で、彼と出会う前のような日々を過ごしていたらきっとまた出会い直せる。

 

そう信じたい、ただの最低な女の話

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