二年前に引っ越してきた町とさようならする時がきた。
初めての一人暮らし。
イルミネーションでキラキラして、ベランダからは月がとても綺麗に見える私だけの部屋だった。
笑うよりも、泣くことの方が多かったな。私が一番覚えているのは、何よりも、どんなことよりも、イルミネーションだけに照らされた部屋で、二人絨毯に寝転がり、天井を見つめながら泣いたこと。悲しかったね。あんなに悲しい別れはもう嫌です。なんの縁もゆかりもない新しい地に行けるから、きっと、やっと忘れられる。思い出は全部この部屋に置いていきます。
さようなら、石神井。
さようなら、たくさん泣いた部屋。